米Cypress Semiconductorは、同社の65nm SRAMファミリとして、モノシリック144Mビット品となる「CY7C16xxKV18」を発表した。

65nmプロセス採用の144MビットSRAM「CY7C16xxKV18」

このQDR/QDRII/DDR/DDRII SRAMはUMC(United Microelectronics)で製造される。クロック速度は550MHzで、36pin QDRIIの場合の合計転送速度は80Gbpsに達し、しかも90nm SRAM製品に比べて消費電力は半減している。この製品はインターネットのCore/Edge RouterやFixed/Modular Ethernet Switch、3G Base StationやSecure Routerなどの用途の他、その性能を生かして医療関連画像処理や軍用の信号処理向けなどにも最適であるとしている。また、90nm製品とピンコンパチブルであり、同じボードレイアウトのまま容量と速度を倍増させることが可能であるとしている。

同社の90nmのSRAMと比較した場合、65nmのQDR/DDR SRAMはスタンバイ電流と動作電流を半減させており、いわゆる「Green対応」ネットワーク製品の構築が容易になる。またQDRII/DDR2製品はODT(On-Die Termination)機能を搭載しており、ボード上に終端抵抗を搭載する必要がないので、実装コストとボード面積の節約になる。65nm製品はDLL(Delay Locked Loop)に代わりPLL(Phase Locked Loop)を搭載しており、旧来の製品に比べ35%データウィンドウを広く取ることが可能である。

CY7C16xxKV18は現在サンプル出荷を開始しており、2010年第1四半期に量産を開始する。どの製品もバス幅(x18/x36)、バースト長(B4/B2)、およびレイテンシ(1.5/2.0/2.5)といった構成を複数用意している。パッケージは業界標準の165pin FBGAを採用しており、従来の90nm QDR/DDRから移行を容易にするピンコンパチブルを確保している。