富士通研究所は10月19日、PCなどから抜き取られたハードディスクドライブ(以下、HDD)を不正なPCに接続しようとした場合に、接続したPCの認証を行ってHDD内のデータの消去やアクセスの制限を行う技術を開発したと発表した。
同社では、これまではHDDの情報漏洩を防止する技術はアクセス制限によるものが中心だったが、これだけではHDDを別なPCに接続した際に読み取られるというリスクが回避できないとして、同技術を開発したとしている。
同技術は、Trusted Computing Groupが策定した業界標準の「Opal Security Subsystem Class」(以下、Opal SSC)仕様に対応したHDDに対して、接続されたPCの認証とデータの自動消去を行う機能をソフトウェアとして追加することで、セキュアなHDDを実現している。
Opal SSCではユーザーが利用するOSを起動する前に認証処理を行うアプリケーションを実行することができ、今回接続されたPCの認証を行うアプリケーションが新たに開発された。同アプリケーションをOpal SSC仕様に基づいて実行することで、あらかじめ認証されたPCではないと判断された場合、データの消去、OSやデータへのアクセスを制限が行われてPCの起動が中止される。
同社は2010年度中に同技術の実用化を目指す。