フィンランドのNokiaは10月15日(現地時間)、2009年第3四半期(7月-9月)の業績報告書を発表した。売上高は前年同期比20%減の98億1,000万ユーロ。モバイルデバイスの平均販売価格(ASP)が回復せず、またネットワーク機器Nokia Siemens Networksの不振などから5億6,000万ドルの損失(1株あたり0.15ユーロ)を計上した。
売上高の分野別内訳は、携帯電話/サービス事業が69億2,000万ユーロ(前年同期比20%減)、地図データのNAVTEQは1億7,000万ユーロ(同6%増)、ネットワーク機器のNokia Siemens Networksが27億6,000万ユーロ(同21%減)だった。
Nokiaは7-9月期の携帯電話産業全体のモバイルデバイス出荷台数を前年同期比7%減、前期比7%増の2億8,800万台と見ている。そのような中、同社は同時期に1億900万台の携帯電話を出荷した。これは前年同期比8%減、前期比5%増だ。ASPは62ユーロで、4-6月期からほぼ横ばい、前年同期の72ユーロから14%減である。推定シェアは前期と同じ38%だが、コンバージドデバイス(スマートフォン)の出荷台数が前期の1,690万台から7-9月期は1,640万台に減少した。携帯電話産業全体では前年同期の4,420万台、前期の4,100万台から4,700万台に増加しており、Nokiaのスマートフォンのシェアは前期の41%から35%に下落した。スマートフォン/ 多機能携帯市場への出遅れの影響が色濃く出始めた形だ。
Nokia Siemens Networksは中国市場を除いたすべての市場(欧州、中東/アフリカ、アジア太平洋、北米、南米)で売上高が減少した。営業損失が前年同期の100万ドルから11億ドルに拡大。営業権減損費用が9億800万ドルとなっている。
今後の見通しについては、携帯産業全体の2008年の出荷台数予想を、これまでの10%減から7%減に修正した。第4四半期の出荷台数は7-9月期から増加すると予想しており、Nokiaは7-9月期レベルのシェアを維持すると見ている。