セイコーエプソンは10月9日、E Ink製の電子ペーパーディスプレイ「Vizplex」の描写を高速化、かつ部分書き換えができる専用コントローラICの第2弾製品「S1D13522」をE Inkと共同で開発したことを発表した。すでにサンプル出荷を開始しており、サンプル価格は1,900円(税別)。2010年1月からの量産出荷を計画しており、量産規模は月産10万個以上を予定しているという。

E Ink専用電子ペーパーコントローラIC「S1D13522」

同製品は、同コントローラ第1弾の「S1D13521」では外付け部品として必要だったフレームバッファ(SDRAM)として2MBのSDRAMを内蔵し、「Waveform」(制御信号)用のシリアルフラッシュメモリをオプション化することで、周辺部品の削減および表示システムの省スペース化を可能とする。

また、電子ペーパーディスプレイ用の電源ICとのインタフェースを持ち、ディスプレイのステータス(パネルID)を自動で読み込む機能を持たせたことにより、よりディスプレイとの親和性を向上させているほか、従来製品と同様の独自開発のディスプレイエンジンを搭載することで、表示機能を踏襲するとともに、画像合成機能(ピクチャインピクチャ、透過表示機能など)を付加することで、ホストCPUに負荷をかけず、さらなる表現力の向上を可能としている。

表示機能は1048×768(アップデートタイミング:50Hz)、最大4ビットのグレースケール(16階調)Waveform対応のほか、15エリアの部分書き換え機能を有する。さらに、ソフトウェアによるパワーセーブモードや省電力および超省電力モードも搭載している。

第1世代品と第2世代品の製品システムブロックダイヤグラム

なお、同製品の評価キット「AM350」は、E Inkより提供される予定である。