三洋半導体は、エアコンや洗濯機など家電製品の冷却を行うファンモータ用途向けにインバータ制御方式でファンモータ駆動を可能にするパワーハイブリッドIC「STK611-001-E」を開発したことを発表した。10月中のサンプル出荷を予定しており、サンプル価格は600円となっている。なお、量産開始は2010年8月を予定しており、月産10万個を計画している。
同製品は、三相ファンモータ駆動に必要なパワー出力段、プリドライバ回路、保護回路をアルミ板をベースにした独自の絶縁金属基板技術「IMST(Insulated Metal Substrate Technology)」により1パッケージ化することに成功。従来の外付け部品使用方式に比べ、実装面積を最大60%低減できるほか、IMSTの従来パッケージと比べても実装面積を80%削減することが可能となった。加えて、基板全体がグランドとなることで、電位が安定し、ノイズ抑制が可能となり、通常のフレキシブル基板に比べノイズを約1/2低減することが可能となっている。
また、「制御電源電圧低下保護機能」や「上下入力同時オン時の短絡防止回路」などの保護回路を内蔵したことで、さらなる制御回路の省スペース化と安全性向上を実現したほか、サーミスタを内蔵したことによる基板の温度モニタも可能となっている。
さらに、ハイサイドの制御電源用にブートストラップ回路を内蔵したことで単一電源での駆動を可能にした(ブートストラップ回路無しの場合は4電源必要)。この電源の合理化により、部品点数や電源部スペースの削減が可能となり、セット内スペースが確保しやすくなっている。
なお、同製品は、制御入力信号がローレベルの時に内部パワー出力段(MOSFET)がオンとなるアクティブロータイプであり、同社としては今後、制御入力信号がハイレベルの時に内部パワー出力段がオンとなるアクティブハイタイプもシリーズ展開することで、ラインアップの拡充を図っていく計画としている。