STMicroelectronicsとFreescale Semiconductorは、カーエレクトロニクスの機能安全をターゲットとして共同開発した次世代デュアルコア・マイクロコントローラ(マイコン)ファミリを発表した。すでにサンプル出荷は開始されている。

32ビットPower Architectureをベースとしており、STMicro側では「SPC56EL」、Freescale側では「MPC564xL」という名称で提供されることとなり、車両効率を改善する電動パワー・ステアリング、動力性能や乗り心地性能を改善するアクティブ・サスペンション、車間距離制御(ACC)用のアンチロック・ブレーキ・システム(ABS)およびレーダなど、幅広い車載用セーフティ・アプリケーションに活用可能だという。

同ファミリは、両社の共同開発プログラムにより開発されたデバイスで、路上走行車のセーフティ・クリティカル・システムで満たすことが求められている安全規格として国際電気標準会議(IEC)の定める「IEC61508」や国際標準化機構(ISO)の定める「ISO26262」といった規格に準拠するよう設計されている。

デュアルコアに最大1MBのフラッシュメモリのほか、セーフティ・アプリケーションおよびモータ制御アプリケーションに最適化されたペリフェラル・セットを1チップに統合しており、最大2つのブラシレス三相モータによる制御をサポートすることが可能だ。

また、同デュアルコア・アーキテクチャはロックステップ・モードとデュアル並列処理(独立コア動作)モードの選択が可能であるという独自の柔軟性を提供しており、これによりさまざまなセーフティ・アーキテクチャのサポートが可能になることから、開発者は要件に応じた安全性と性能のバランスを実現するアーキテクチャを設定することが可能となる。