米国商工会議所の地球温暖化対策への取り組みを厳しく批判し、さらには脱退に踏みきる会員企業が続出している。Reutersなど複数の米国メディアの報道によると、5日(米国時間)に米Appleが同会議所から脱退した。

MercuryNewsによると、Appleの政府問題担当副社長キャサリン・ノベリ氏が5日付で米国商工会議所に脱退を表明する書簡を送付し、その中で温室効果ガス抑制を目指すEPA(環境保護庁)に反対した同会議所の姿勢を厳しく非難したという。この問題では、すでに大手電力会社のExelon、PG&E、PNM Resourcesなどが商工会議所を脱退し、スポーツアパレルのNikeがボードメンバーから退いている。今回のAppleの決断により、強い批判の輪がテクノロジ産業にも拡大した形だ。

米国商工会議所と一部の加盟企業が対立している原因は、現在米上院で検討されている「キャップ・アンド・トレード」方式を採用した温暖化対策法案である。商工会は温室効果ガス削減を支持しながらも、企業に排出枠を課す同方式では雇用への影響が大きいと難色を示してきた。オバマ政権は対策法案の早期成立を目指しており、多くの企業が賛同している。同会議所を批判する企業は、地球温暖化問題に対する積極的かつ建設的な取り組みを求めている。