JR東日本は10月6日、非電化区間の環境負荷の低減策として開発を進めている「蓄電池駆動電車システム」を搭載した試験車両「NE Train スマート電池くん」が完成し、今月より試験走行を開始することを発表した。
NE Train スマート電池くん |
NE Train スマート電池くんは、ディーゼルハイブリッド車両や燃料電池車両の開発を進めた「NE Train」を改造し、制御システム機器と大容量蓄電池を搭載したもの。蓄電池にはリチウムイオン電池が用いられている。
NE Train スマート電池くんの運転は「通常の電車として走行」、「蓄電池のみで走行」、「一部の駅で充電」という3つのモードから行われる。
同社は、NE Train スマート電池くんのベンチテスト(走行を模擬した試験)により、蓄電池の評価・制御システムの開発を行い、蓄電池のみによる走行可能距離の見通しを立てた。今年度はベンチテストの成果を踏まえ、走行試験に向けた開発を進めている。
10月より、大宮総合車両センター内の構内試験線で走行試験が開始され、来年1月頃より、本線での走行試験が計画されている。そこでは、最適な蓄電池容量の見極めや充電に要する時間などの検証が行われる。
今後、非電化区間の地上側に設ける充電設備の開発を進め、来年度以降に車両と地上側に設ける充電設備を組み合わせた「蓄電池駆動電車システム」の総合試験を実施する計画だという。