米Adobe Systemsは10月5日(現地時間)、現在米カリフォルニア州ロサンゼルスで開催されている開発者イベント「Adobe MAX 2009」において、同社エンタープライズアプリケーション開発ツールの「Adobe ColdFusion 9」の提供を発表した。また「ColdFusion Builder」のベータ2版をAdobe Labs上で公開したほか、「ColdFusion 9 in the Cloud」のプライベートベータ版を開始したことを公表している。
ColdFusionは日本ではそれほど大きく取り上げられることはないものの、動的Webアプリケーションの開発において米国ではメジャーな存在だ。Version 9の新機能として、Adobe AIRとの連携が強化されたことが挙げられる。たとえばAdobe AIRを併用することでリモートとローカルのデータベースを同期しておき、オフライン状態でもアプリケーションが利用できるような環境を構築できる。またHibernateのORM機能との統合で、データベースの構造に非依存のアプリケーション開発が行える。ColdFusion Builder Beta 2ではIDEがEclipseに統合されており、この共通開発環境を使ってColdFusionアプリケーションの開発が可能になる。
そして今回の最も大きな話題はクラウド対応だろう。現在はまだプライベートベータの段階のものの、従来のインストールベースに加え、新たにクラウド上へのホスティングによるサーバ構築や管理が可能となった。LiveCycleなどと同様にクラウドはAmazon Web Services (AWS)を利用し、ColdFusionサーバの環境はバーチャルインスタンスとしてテストから展開までをクラウド上で実装できる。また単にホスティングだけでなく、AWSのAPIを活用することでAmazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)やAmazon Simple Storage Service(Amazon S3)のサービス群を利用することもできる。詳細についてはColdFusionのクラウド環境について説明した専用ページを参照のこと。