米IBMは10月1日(現地時間)、セキュリティ機能を強化したWebメールサービス『LotusLive iNotes』の提供を開始した。企業向けWebコラボレーションツール「LotusLive」の簡易版という位置付けで、1ユーザーあたり月額3ドルで利用できる点が特徴。同種のサービスを提供するライバルよりも安く、特にGoogle対抗を目指している。
POP3、IMAP4、認証付きSMTPなどの電子メールとして基本的な入出力機構を備え、Lotus NotesやMicrosoft Outlookとの連携に対応する。そのほかにアンチスパムやアンチウイルスのフィルター機能、カレンダー、アドレス帳、SSLによる暗号化アクセスや安全なパスワード復帰システムなどにも対応する。IMAP IDLEを介して携帯端末からメールにアクセスすることも可能だ。
同サービスの最大のセールスポイントは価格で、通常の月額料金で1ユーザーあたり3.75ドル、年間契約時に月額3ドル、30日間まではお試し期間として無料で利用できる。ストレージ容量は1GBとなる。これは同種のサービスでGoogleが年間50ドルで提供しているものと比較しても安い。ただし、Googleの同サービスでのストレージ容量は25GBとなっている。
ビジネス市場への食い込みに苦戦しているGoogleにとって、今回のIBMのサービスは脅威の1つになる可能性がある。特にIBMは既存の企業顧客やパートナー網で秀でているため、価格の差異以上に営業力で勝るという考えだ。なお、今回のサービスは英語版だけでなく日本語版の提供も行われている。価格体系についてはIBMの営業担当に問い合わせのこと。