日産自動車は10月1日、「ぶつからないクルマ」の実現に向け、群走行しながらお互いがぶつからないロボットカー「EPORO(エポロ)」を開発、10月6日より開催される「CEATEC JAPAN 2009」にて出展することを発表した。
EPOROは、海中の障害物を回避しながら、集団の中でも互いにぶつからずに泳ぐ魚群の習性に着目し、その行動ルールを走行制御に応用することで、群走行をしながら互いがぶつからないようになったロボット。
魚群回遊のイメージ |
行動ルールは、「衝突回避」「並走」「接近」の3つがあり、魚はこれを「側線感覚」と「視覚」にて周囲環境を認識することで実現。EPOROでは、側線感覚をレーザ光の反射を計測して障害物までの距離を検出する測距センサであるレーザレンジファインダで、視覚をパルス信号を送信して反射するまでの時間差から対象物の距離と位置を計測するUWB通信技術により代替することで、魚と同じく群走行時での互いにぶつかることを回避することを実現しているという
魚の行動ルールのイメージ(エリア1が衝突回避で、仲間の魚とぶつからないように進行方向を変えようとする。エリア2が並走で、仲間の魚との距離を一定に保つために速度を合わせ並走しようとする。エリア3が接近で、仲間の魚と離れているため、近づこうとする) |
また、他のロボットとは、周囲の環境情報を通信を利用して群で共有することで、柔軟に動きを変えながら安全に走行ができるという。
なお、同展の同社ブースではEPOROのほか、「インテリジェントペダル」(ディスタンスコントロールアシスト)、レーンデパーチャープリベンション(車線逸脱防止支援システム)、駐車ガイド機能付アラウンドビューモニタなどの自律型安全技術や実証実験SKYプロジェクトなどのITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)を活用したインフラ協調技術などの技術の紹介も行われる予定。