三洋電機は10月1日、監視用ネットワークカメラとしてフルHDおよびフルフレーム仕様に対応した「HDシリーズ」6製品を発表した。発売は11月24日から順次行われ、価格は9万4,290円からとなっている。なお、海外向けにはさらに3機種が用意されており、合計9機種での世界展開が行われる。

左の4製品が新たに発表された4タイプの製品(右は2008年に発表されたVCC-HD4000)

6製品は、CSマウントタイプ「VCC-HD2300」「VCC-HD2500」、バンダルドームタイプ「VCC-HD3300」「VCC-HD3500」、10倍ズームタイプ「VCC-HD4600」、パン・チルト・ズーム(PTZ)タイプ「VCC-HD5400」と4タイプに分かれており、それそれ1080pのH.264およびモーションJPEG(MJPEG)に対応する。

6製品の内、光学10倍ズーム機能を搭載した「VCC-HD4600」を除いた5製品

各タイプの基本仕様

HD3500およびHD2500、HD4600、HD5400の4製品は、2つのエンジンを搭載し、ビデオ・アナリティクスや音声双方向、SDカードスロットなども搭載されているほか、HD4600とHD5400にはUSB接続タイプのHDD(500GB)を取り付けることが可能。2つのエンジンの内1つは、同社のデジタルカメラXactiで用いられているものと同じエンジンでフルHDに対応する「Xacti HD-Pro」で、こちらは6製品すべてに搭載されている。もう一方は、新規に開発したエンジンでH.264/MJPEGコーデックおよびイーサネット/LANコントローラ内蔵の「Optimum IP-Pro」である。

機種によっては、ビデオアナリティクス機能やフォーカスアシスト機能が搭載される

2つのエンジンを活用することで、最大1920×1080、30ipsのH.264画像を1ストリームもしくは、それ以下の解像度、フレームレートなどを4ストリームまで組み合わせて使用することが可能である。

2つのエンジンでH.264のフルHD、フルフレーム画像を実現

最大4ストリームまで設計が可能

三洋電機 デジタルシステムカンパニー DI事業部 DS商品部 部長の廣瀬義樹氏

また、「デジタルカメラで培った小型基板技術を用いることで、カメラサイズを従来のフルHDネットワークカメラ比で40%小型化することに成功した」(同社デジタルシステムカンパニー DI事業部 DS商品部 部長の廣瀬義樹氏)とする。

さらに、HD2500/3500/4600にはクロッピング機能を搭載。これにより、フルHDの画像から、気になった部分だけVGA相当サイズで切り出すことが可能となっているほか、IPアドレスの設定などを手作業でしないでもカメラを自動検索し、設定をすることが可能な「オートIPセットアップユーティリティ」や最大16分割画面までのマルチ画面監視が可能な「VA-SW3050LITE」などのソフトウェアが標準で添付される。

クロッピング機能により、気になった部分だけを拡大して確認することが可能

最大16分割された画面を一気に見ることができるソフトも用意されている

三洋電機 デジタルシステムカンパニー DI事業部 執行役員・DI事業部事業部長の田淵潤一郎氏

なお、同社では「ネットワークカメラ市場は2009年の760億円から2011年には1,330億円へと成長する見込みで、HD対応カメラも、交通監視や紙幣の確認、カジノでのカードのスートや番号の確認などといった用途を含めて2009年の33万台から2011年には79万台へと成長する見通し。こうした市場の成長に併せて2011年を目標にHDネットワークカメラ市場で30%以上のシェアの獲得を目指す」(同社デジタルシステムカンパニー DI事業部 執行役員・DI事業部事業部長の田淵潤一郎氏)としており、今後もさまざまな用途に向けた製品の開発を行っていくとしている。

屋外に設置された10倍ズーム対応のHD4600が映し出している画像(右が10倍ズーム時で、写真では分からないが、肉眼でモニタを見るとバスのナンバーが確認できた)