ルネサス テクノロジとパナソニックは9月30日、両社がこれまで進めてきたシステムLSIの先端プロセスに関する共同開発機能を従来のルネサス北伊丹事業所から、ルネサス那珂事業所に集約し、32/28nmプロセスの開発ラインを2009年10月1日より稼働させることを発表した。
両社は、1998年(当時は松下電器産業と三菱電機)に次世代システムLSI技術に合意。ルネサス北伊丹事業所にて90nm、65nm、45nm、32nmの半導体プロセス技術の共同開発を行ってきた経緯がある。2008年10月には、共同開発の成果として、システムLSI向け32nmプロセスとして、High-K/メタルゲート(HKMG)を用いたトランジスタとUltra low-kを用いた配線技術を開発、量産適用のめどを得たほか、2009年7月には28nmプロセス用のHKMGを用いたSRAMセルの開発を完了している。
今回の那珂事業所への集約は、新たに敷設した300mmウェハ開発ラインにおいて、28nmプロセスの加工技術を用いたフルインテグレーション技術の共同開発を行うためのもの。
同開発ラインは、ルネサス北伊丹事業所の開発ライン設備の一部を移管した上で、新たに追加の生産設備も導入している。これにより両社は、量産への移行をスムーズに行うことが可能となり、開発費の削減と開発期間の短縮が可能となり、開発・生産効率の向上が見込めるとしている。
なお、共同開発の成果物である32/28nmプロセス技術については、両社の携帯機器やデジタル家電向けシステムLSIに適用され、それぞれの生産拠点で量産が行われる予定としており、今後も両社で先端技術の開発を進め、早期の量産を目指すとしている。