NECエレクトロニクスは9月30日、産業システムで使用される各種センサやアクチュエータ向け通信規格「IO-Link」のスレーブ装置(デバイス)に対応した16ビットマイコン4品種を製品化したことを発表した。10月より順次サンプル出荷を予定しており、価格は128KBのフラッシュメモリ、7KBのRAM搭載品「μPD78F8043」で600円としている。なお、量産開始は2010年4月を予定しており、量産規模は2011年度中に4品種合計で月産50万個を計画している。

4製品ともに、同社の16ビットオールフラッシュマイコンとIO-Linkトランシーバを1パッケージ化したもので、フラッシュメモリ容量に応じて、32KB品「μPD78F8040」、64KB品「μPD78F8041」、96KB品「μPD78F8042」、128KB品「μPD78F8043」となる。

内蔵しているIO-Linkトランシーバは、IO-Link通信規格V1.0に準拠しており、通信速度はCOM3(230.4Kbaud)まで対応しているほか、5Vレギュレータも内蔵したことで、システムの部品点数や実装面積を削減することができる。

また、IO-Linkマスタ機器からのWAKE-UP信号をハードウェアで検知できる機能を内蔵しており、マイコンのプログラム負荷を軽減することが可能なほか、システム保護のための過電流検知機能も内蔵している。

さらに、スタータキットとして、マイコンとIO-Linkトランシーバ、センサを搭載した評価用ボード、マイコンソフトウェア開発ツール、IO-Link通信スタックをセットにしたものを提供することで、容易に開発に着手することが可能となっている。

なお、4製品は、2008年より協業を開始した独ELMOS Semiconductorと合同で開発されたもの。NECエレクトロニクスでは、今後もELMOSとの協業により、アナログLSI混載製品などの開発を進め、ラインナップの強化を図っていくとしている。