建設用コンクリートの下地処理などを行うアクアは、コンクリートの外壁に写真や図柄を転写する技術「フォトクリート」を開発したと発表した。従来から行われているサンドブラスト技法やステンシル技法など比べて、転写再現性や作業性が高く、デザイン面での付加価値が高いとしている。

フォトクリートでは、まずデジタル処理された原画をもとにスクリーン原版を作成。このスクリーンを使用して、フィルム上にコンクリート表面凝結遅延剤を"印刷"する。このフィルムを貼り付けた型枠にコンクリートを打設。脱型後、表面凝結遅延剤で弱くなっている部分を洗い流す。

凝固した部分に原版の絵柄が転写されている

コンクリート表面にアミ点でエッチングしたような状態

これまでのコンクリート表面凝結遅延剤を使用した同様の技法では、性能面で実用化に至っていなかったが、耐水性・対アルカリ可溶性である凝結遅延剤を採用したことで実用レベルの技術を実現したという。

同技術では最大で1枚あたり3m×7mまでのサイズに対応。原画を分割・連結することで建物壁面全体に転写するということも可能だ。また、コンクリート自体に無機顔料を混練りすることでモノトーン着色にも対応する。