シトリックス・システムズ・ジャパンは、6月からTech Preview版を提供していた仮想環境への移行とWebアプリケーションデリバリーを行う「NetScaler VPX」の発売を開始したと発表した。
NetScaler VPXは、同社が提供するWebアプリケーションデリバリーアプライアンス「NetScaler MPX」から、ソフトウェアの部分を取り出したもの。Xen Serverの1つのゲストOSとして動作し、「NetScaler MPX」の99%の機能を提供する。
具体的には、L4ロードバランス、L7コンテンツスイッチ、帯域制御、TCPの最適化、HTTP圧縮、キャッシュ、DoS防御、コンテンツフィルタリング、SSL VPN、ファイアウォールなどを提供する。
シトリックス・システムズ・ジャパン ディレクタ 山中理恵氏は、ADC(Application Delivery Controller)市場は、今後ロードバランサの割合が小さくなり、機能をもった複合型製品がシェアをの伸ばすと指摘。「世の中がサーバ統合にシフトする中で、仮想化サーバで動くNetScaler VPXにメリットがある」と述べた。
NetScaler VPXは、スループットが最大10Mbpsの「VPX-10」、200Mbpsの「VPX-200」、1000Mbpsの「VPX-1000」という3つのパフォーマンスの仕様と、Standard、Enterprise、Platinumの3つのソフトウェア エディションがあり、希望小売価格は最小構成の場合33万円(税抜)からとなっている。
また、手軽に製品の評価を行い、制限付きでプロダクション導入できるように「NetScaler VPX Express Edition」も無料で提供している。
同社では、クラウドサービスでの利用、アプリケーションにチューニング・最適化されたISVパッケージソフトとの組み合わせ、低価格で入手できることから中小企業での利用という、3つの利用環境を想定している。
動作環境は、XenServer 5 Update3以降、Dual Core CPU(Intel-VT、AMD-V)、1GBのメモリ、20GBのディスクスペースとなっている。