米Microsoftは9月17日(現地時間)、米ワシントン州シアトルにある同州上級裁判所に5件の訴訟を申請した。内容は「Malvertiser」と呼ばれる広告に見せかけたマルウェアを掲載する事業者を告発するもので、同社Associate General CounselのTim Cranton氏がBlogで報告している。

Malvertiserが出す広告マルウェアの例として分かりやすいのが、アンチウイルスを装った金銭奪取が目的のソフトウェアだろう。広告バナーなどに仕込まれる形で潜伏しており、ユーザーがWebページにアクセスして当該の広告を表示させると、突然ポップアップ形式でアンチウイルスと見せかけたソフトウェアが動作し、スキャンの結果ユーザーのマシンがウイルスに感染しているとの嘘の報告を行い、対策にはソフトウェアの購入が必要として金銭の振り込みを要求するというものだ。相手を脅してソフトウェアの購入を強要することから「Scareware」とも呼ばれる。直近ではNew York Timesのサイトが同種のMalvertiserによる被害に遭ったことが知られている。

告訴された事業者の名称は、それぞれ「Soft Solutions」「Direct Ad」「qiweroqw.com」「ITmeter INC.」「ote2008.info」となる。これら事業者名の背後にいる特定の人物などの詳細は不明だが、Microsoftによればオンラインサービスや広告プラットフォームの信頼性を損なうこうした行為に対し、業界として毅然と立ち向かうのが狙いだという。同社は過去にも多数のスパム事業者を告発しており、こうした行為の一環だとみられる。