Analog Devices(ADI)はArcturus Networksと協業し、IPネットワーク上でのマルチメディア通信を実現するセッション初期化プロトコル(SIP)の普及を受け、マルチチャネル音声機能、ミニPBXやIPビデオ機能を特長とする組み込みメディア機器の開発時間短縮を実現する「uCBF54x」スタート・キット(「ADSP-3PARCBF548E02」)とシステム・モジュール(「ADSP-3PARCBF548M01」)を発売した。
uCBF54xは、最高6チャネルまでのオーディオに対応できる533MHz動作のADIのプロセッサ「Blackfin(ADSP-BF548)」とArcturusの音声、メディア、管理ソフトウェアやそのサポートをベースにしたソリューションで、ADIの低消費電力オーディオコーデック「SSM2603」やトランシーバ、ネットワークコントローラなどのすべてのサブシステム部品が集積されている。そのため、最小限の外部回路を追加するだけで、ほとんどのアプリケーションの開発が可能となる。
ソフトウェアはオープンソースのuClinux BSP(ボード・サポート・パッケージ)と、SIPとRTPスタックを備えたArcturusの音声およびマネジメント・ミドルウェアで構成されている。ホストボードはスタートキットの一部として提供され、ハードウェアおよびソフトウェア開発のリファレンスとして利用することが可能だ。
米国での販売価格は、スタートキットが615ドル、システムモジュールが1,000個受注時で130ドルであり、2009年後半には、ビデオのVGA変換用および4ポートGbE用ドータカードを備えた拡張パックの提供も予定されている。また、BlackfinをADSP-BF542に変更したモデルも2010年前半に提供予定としている。