ルネサス テクノロジは9月17日、各種操作キー用途などに向け、静電容量タッチ検出回路を内蔵した16ビットマイコン「R8C/33T」グループを製品化したことを発表した。静電容量タッチ検出を18チャネル(マトリックス時、最大9×9=81チャネル)内蔵し、16K/24K/32KBのフラッシュを内蔵した3品種がラインナップされる。2009年10月よりサンプル出荷を開始、サンプル価格は200~300円としている。

「R8C/33T」グループのパッケージ外観

同製品は、同社の16ビットマイコン「R8Cファミリ」に、オムロンの静電容量タッチ検出回路を内蔵した第1弾製品となっている。1チップ化したことにより、タッチパネルシステムの小型化、低消費電力化、ノイズ耐性の向上、外部タッチセンサICの不要化による輻射ノイズの低減に加え、電極との直接接続でタッチ検出が可能であり、電極ごとに必要だった抵抗、コンデンサが不要となる。

また、タッチ検出のCPU処理時間の低減が可能となっており、ソフトウェアでタッチ検出を実現したときと比べ、システムの消費電力を自社製品比で約1/10に低減することが可能なほか、タッチ検出回路は4MHzもしくは5MHzでの動作が可能なため、さらなる低消費電力化も可能である。

静電容量タッチ検出には、直列容量分圧比較方式を採用したことで、高速で安定性の高いタッチ検出が可能となっている。

同製品の動作周波数は最大20MHzで、動作電圧は1.8V~5.5V、電源立ち上がり時に、マイコン内部の全回路をリセット状態にするパワーオンリセット機能や電圧降下を監視し一定電圧以下になった場合に内部リセット信号や割り込みを発生させる低電圧検出機能に加え、CPUを介さずに内蔵メモリと周辺機能用レジスタ間でデータ転送ができるデータトランスファーコントローラも搭載している。

なお、内蔵フラッシュメモリは、ブランクの他、書き込み出荷にも対応する。