STMicroelectronicsは、低消費電力技術に8ビットアーキテクチャを組み合わせた8ビットマイコン「STM8L」ファミリを発表した。同ファミリには、「STM8L10x」「STM8L151」「STM8L152」の3つの製品ラインナップがあり、合計26品種で構成される。
いずれの製品も、同社独自の8/32ビットマイコン向け130nmプロセスを用いた低消費電力プラットフォームを採用している。これにより、すでに確立されている省電力マイコン設計技術を組み合わせることで、低消費電力組み込みメモリとアナログ回路の集積を可能となる。また、電力消費量が1.65V~3.6Vの電源電圧(Vdd)に依存せず供給電圧範囲全体にわたり最大動作周波数まで動作をサポート、といった柔軟性を併せ持っている。
さらに、低消費電力組み込み不揮発性メモリ、5.4μAの低消費電力実行モード、3.3μAの低消費電力待機モード、フル機能RTCによる1μAのアクティブHALT、350nAのHALTモードを含む複数の電源管理モードといった特長と持つほか、HALT状態から4μs以内のウェークアップが可能なため、最小消費電力モードを頻繁に使用することが可能だ。
加えて、使用電流が1μA未満のRTCやオート・ウェークアップ(AWU)などのペリフェラルの低消費電力化を可能にしており、プラットフォーム全体として、150μA/MHzの動作時電流消費量を実現している。
STM8L101シリーズは、最大8KBのフラッシュメモリ容量と20/28/32ピンのパッケージ・オプションを用意。QFN20ピン薄型パッケージ(3mm×3mm)に搭載された「STM8L101(4KBフラッシュ内蔵)」で、サンプル単価が約1万個購入時で約0.68ドルとなっている。
一方のSTM15xシリーズも、すでに主要顧客向けにサンプル出荷を開始しており、2010年初頭の量産開始を予定している。こちらは、最大32KBのフラッシュメモリを内蔵し、最大2KBのSRAM、外部水晶発振子/クロック機能、高機能化されたリセット機能、およびダイレクト・メモリ・アクセス(DMA)のサポート機能が追加されている。
また、モータ制御タイマ、アナログ機能の拡張、リアルタイム・クロック、高速ADコンバータ/DAコンバータ機能などのペリフェラルも追加されているほか、STM8L152では統合LCDコントローラも搭載している。