日立製作所は9月16日、企業における部門ごとのITリソースを共有化して効率的に配分することで、必要に応じてシステム性能や機能を向上させ、TCO削減を実現する「エンタープライズグリッドソリューション」を、10月1日から提供開始すると発表した。価格は個別見積り。
同社はエンタープライズグリッド分野の経験・ノウハウとともに、ワールドワイドで金融機関における実績を持つ英国エクセリアンとの協業を生かし、コンサルティングサービスから上流設計、システム構築までを一貫して提供する。
同ソリューションは従来、金融のリスク計算・分析などの特定業務で限定的に利用されていたグリッド技術に、データを高速に複製する分散データ処理を行うミドルウェアなどを採用し、障害の影響を極小化させることで、基幹系システムにも適用可能な高信頼性を実現する。
膨大な業務量が発生する基幹系システムのバッチ処理については、データを分散させ、コンピュータの稼働状況に応じてプログラムを配分する新たなミドルウェアを開発し、高速化を実現する。統合運用管理のミドルウェアを採用することで、業務の変更時にも、運用に関する処理変更を極少化でき、柔軟に対応できる。
同ソリューションのメニューは、コンサルティング、上流設計、構築(統合運用管理・グリッドプロセス制御・データグリッド・グリッド基盤)から構成される。
構築メニューにおいて、統合運用管理では統合システム運用管理製品「JP1」など、グリッドプロセス制御ではバッチプロセスグリッド製品SOAプラットフォーム「Cosminexus」など、データグリッドでは共有ファイルシステム「Hitachi Striping File System」など、ノンストップデータベース「HiRDB」など、米国GemStone System社「GemFire」など、グリッド基盤では統合サービスプラットフォーム「BladeSymphony」が適用される。