サイボウズは、同社のWeb データベース「デヂエ」をプラットフォームとするSaaS型サービス「かんたんSaaS」を10月から提供すると発表した。

当初は、顧客台帳、商談報告書、見積り依頼受付、お問い合わせ・クレーム対応管理、社員名簿、日報、報告書、情報共有掲示板、よくある質問、勤怠管理、感染状況確認、売上情報を管理するアプリケーションを提供し、随時追加していく予定だ。

ポータル画面

お問い合わせ・クレーム対応管理

利用料は、初期費用不要で、1アプリケーションあたり1ユーザー月額500円で、複数アプリケーションを利用する場合は、掛け算になる。ただし、今後はパック商品も提供する予定だという。利用は、最低5ユーザーからになる見込みだ。

また、アプリケーションは協業パートナーからも提供され、ユーザーが自由に選択して利用できるようになるという。こちらの価格は、各パートナーが設定した料金になる。

現在のところ、建設業向け工事原価管理システム「本家シリーズ」の展開を行うアイキューブ、廃棄物管理業務で取り扱う、契約書などの文書管理サービスを提供するアミタエコブレーン、外食産業、美容産業におけるPOSシステム委託のジャストプランニングなど5社が参加を表明している。

サービス提供は、提携するNTT-PCコミュニケーションズのデータセンターにて行う。

サイボウズ 代表取締役社長 青野慶久氏

同社の代表取締役 社長の青野慶久氏は、中期戦略としてSaaS事業を強化していく方針を表明。「これまでパートナーによるASPサービスを提供し、順調に伸びているが、パッケージに比べ規模が小さく、爆発的な伸びとはなっていない。SaaS型でお客様の要望に合わせカスタマイズして提供する」と述べた。また、「デヂエ」は、プログラミングなしで設定のみでアプリケーションを作成できることから「他社よりも早いペースでアプリを追加できる」とした。

今後はSaaSを強化

サイボウズ マーケティング部長 野水克也氏

サイボウズ マーケティング部長の野水克也氏は「今のSaaSは高額なオーダーメイドショップ」と、中小企業にとっての問題点を指摘。500円という割安な価格で提供することによって、価格面でこれまでSaaSの導入に踏み切れなったユーザーを掘り起こしたい考えだ。

パートナーについては、従来のIT関係のシステムインテグレータのほか、建設・外食・製造など、IT以外の分野で多くのノウハウを持つパートナーと新たに協業し、新しい販路を開拓していく予定だという。

IT分野以外パートナーによる新たな流通ルートを開拓