富士通マイクロエレクトロニクス(FML)は9月14日、携帯電話の送受信に必要となる高周波の信号処理を行うRFトランシーバLSIとして、携帯電話の第2世代向けGSM、GPRS、EDGE通信方式、第3世代向けUMTS、HSPA通信方式に対応し、3G DigRFインタフェースを1チップに搭載したRFトランシーバLSI「MB86L01A」を開発し、同分野に参入することを発表した。すでにサンプル出荷を開始しており、初年度で月産100万個の販売を目指すとしている。
同製品は、GSM、GPRS、EDGEとそのすべての周波数帯に対応するほか、第3世代向け通信方式であるUMTS、HSPAとその周波数帯10帯域のうち、最大4つの周波数帯を同時に使用することが可能だ。
また、低雑音化回路を1パッケージに内蔵したことで、従来必要だったSAWフィルタやLNAといった外付け部品が不要となり、RFブロックの省スペース化が可能となる。 さらに、デジタル回路技術を採用し、アンテナスイッチやパワーアンプなどの外部部品を制御するデジタル信号対応の出力インタフェースを備えたことで、システムの簡素化が可能になったほか、CPUに信号制御内容をプログラムすることで、システム内におけるRF制御方法やフィルタリングなどの調整を間単に行うことができるようになる。
なお、同製品の開発に際して、FMLではFreescale Semiconductorよりライセンスを受け、新たに米アリゾナ州テンピに開発拠点を設置、同地の130名超のスタッフが開発に関与したという。同拠点では、現在、次世代通信方式であるハイビットレート対応RFトランシーバLSIの開発が行われている。