ビーブレイクシステムズは9月10日、システム業界における景気動向をまとめたレポートを発表した。同社は自社で手がけたシステム案件などをもとに現場の目線で分析したシステム業界の景気動向を定期的に発信している。今回は、「システム業界全般」、「システム投資」、「エンジニアの単価」についてまとめている。

システム業界全般の動向としては、システム関連会社の再編が先月から多数発生していることが挙げられている。管理部門の効率化を図るために、親企業が子会社を買収したり、子会社の財務状況が厳しいために親会社に吸収合併されたりするケースがあるという。こうした企業再編の動きはもうしばらく続くと同社では見ている。

システム関連企業における2011年新卒の採用活動は、採用を抑えると方向の企業と例年同様の採用を行う方向の企業の分かれるようだという。例年レベルの採用数を決定している企業は、自社の業績が比較的安定、もしくはある程度内部留保に余裕があるため、他の企業が新卒採用に消極的になっている今こそ良い人材を採用する好機ととらえて採用活動を実施する模様。

また、インターネット関連企業のように、不況の影響を受けずに好調な業績を上げている業種や、不況の影響を受けている不動産業界の中でも比較的業績が安定している賃貸関連業などが積極的なIT投資が行っているようだ。投資の対象は、ビジネス拡張のためのシステム構築や基幹系業務システム導入など多岐にわたる。他業種でもシステム投資を検討している企業は多いが、全体的に予算金額は絞られる傾向にある。自社の基幹系業務システムを導入するにあたり、ベンダーの提示金額と自社の予算額に大幅な乖離があったため、自社の業務要件や景況感動向を見極めるべく、投資判断を数ヵ月先延ばしにするに決めた企業もあるという。

システム開発の案件数は増加傾向にあるが、エンジニアの単価は引き続き下落傾向にある。エンジニア単価の提示価格は平均すると1割ほど下がっており、案件によってはさらに1割程度の値引きを求められるケースもあるという。これは案件の数が増えてもエンジニアの供給過多が続いていることが影響していることが原因とされている。その影響は特にプログラマレベルのエンジニアが受けているようで、プログラマが対象の案件はあっても、採用されるのはプログラミングもできるシステムエンジニアという厳しい状況が続いているという。