日本オラクルは9月9日、厳しい経済環境下で各社が実施している顧客戦略の事例と、それを支えるソリューションを紹介する「CRMサミット 2009」を開催した。

米オラクル Vice President, Marketing and Loyalty Products Melissa Boxe氏

オラクル・コーポレーション Vice President, Marketing and Loyalty ProductsのMelissa Boxer氏によって行われた「優良顧客を掴み・離さない顧客戦略 -グローバル鉄道、銀行での先進事例をご紹介」と題された基調講演では、消費者の行動の変化や世界的な競争の激化、業務の複雑化に加えて企業からのメッセージが顧客に届きづらくなっているという状態が指摘され、消費者を満足させ、その満足度を維持することが困難になっていると語られた。

厳しい経済環境の中で企業が成長するための戦略としてポイントとして挙げられたのは4つだ。まず大事なのは、顧客を理解することだという。自社の顧客が何者なのか、どのように行動が変化しているのか、成果を最も引き出せる戦術は何なのかといったことを知るために、顧客を階層や価値、ニーズでセグメント化する必要があるという。

これを実現するためにはトラッキングが有効だ。しかし、販売データやコールセンターの履歴、サイトからのアクセス履歴等、顧客情報は複数のチャネルに存在しており、部門間で情報が分散している。利用可能な情報として整備するためには、散在する情報を集めて統合し、重複等のクレンジングをした上で共有しなければならない。これを実現するものとしてオラクルが提供するのがUniversal Customer Master(UCM)とBI、CRM Analyticsだ。

顧客理解のためのトラッキング

顧客理解を実現するUCMとBI

2つ目の戦略は、顧客に対して報酬を与え、評価し、差別化することだという。そのためには、店舗をはじめとする顧客との全ての接点で、常に差別化されており満足感を与える体験を提供しなければならない。

そして、顧客行動を推進するためには、パーソナライズされたインセンティブや報酬が有効なのだ。たとえば、初回購入時にロイヤリティプログラムを案内し、加入時に報償を与える。

さらに、次回購入を促すためにパーソナライズされた報酬を与え、頻繁な購入者にはさらに特別な報酬を与える。こうした具合に段階的にアプローチし、適宜報酬を与えることで顧客満足度は向上し、小売り価格は伸びて行くという仕組みだ。この実現には、「Siebel Loyalty Marketing Enterprise Suite」が有効だという。

顧客満足度を工場させる適切な評価と報酬

マーケティング、顧客価値向上、ROIを実現する「Siebel Loyalty Marketing Enterprise Suite」

Siebel Loyalty Marketing Enterprise Suiteによる顧客体験向上