日本アイ・ビー・エム(以下、日本IBM)は9月8日、中堅企業や事業拠点向けに、グループウェアやオフィスソフトなど、コラボレーションに必要なソフトウェアが一とおりパッケージしたソフトウェア群「IBM Lotus Foundations」の提供を開始した。専用OSを事前に導入した同製品専用のサーバ「IBM Lotus Foundations サーバー 1.1」の提供を9月24日より開始する。

日本アイ・ビー・エム ソフトウェア事業 Lotus事業部長 三浦美穂氏

ソフトウェア事業 Lotus事業部長を務める三浦美穂氏は、「当社が掲げる"Smarter Planet"を構成する柱のうち、"Smart Work"が最もロータス製品が活躍できる場。Smart Workはさらに3つの要素に分けられ、Lotus製品は"よりスマートなコラボレーション"を実現する」と、同社の事業戦略におけるLotus製品の位置付けを説明した。

同社のコラボレーションソフトウェアは、「コラボレーション・ソリューション」、「ユニファイド・コミュニケーション」、「ソーシャル・ソフトウェア」、「ポータル&マッシュアップ」という4つのジャンルに分類される。今回発表されたLotus Foundationsは、コラボレーション・ソリューションとユニファイド・コミュニケーションに含まれる。

IBMのコラボレーションソフトウェアのポートフォリオ

続いて、同氏はLotusブランドの事業戦略と製品戦略について説明。「従業員が2,000人以上の大手企業ではLotus製品が多く採用されており、優位な市場。この市場に向けてはNotes/Domino 8.5のアップグレードや新製品のアップセルを進めていく。次のレイヤの従業員300人以上2,000人未満の企業は競合がいる市場であり、この市場に対してはNotes/Domino 8.5と業種別ソリューションを組み合わせて販売していく。3つ目の市場である従業員300人未満の企業は、当社にとって新規市場となる。この市場に対しては、管理者が不要であり、企業がコラボレーションを行ううえで必要なソフトウェアがすべて含まれた製品を提供していき、Lotus Foundationsは正にこの市場をターゲットとしている」

2009年度Lotusブランドの事業戦略と製品戦略

同製品は"オールインワンソフトウェア"ということで、以下のようなソフトウェアがすべて含まれている。その特徴はセットアップが最短30分と短時間で簡単に行え、運用管理に手間がかからない点だ。

  • 電子メール、カレンダー、掲示板などのグループウェア機能
  • 無償のオフィスツール「Lotus Symphony」(表計算、プレゼンテーション、文書作成ツール)
  • ファイアウォール、VPN、リモートアクセス機能
  • ファイル&プリントサーバ機能
  • バックアップ&リカバリ機能
  • アンチウイルス&アンチスパム機能

同製品は3つのタイプが用意されている。上記の機能をすべて装備する「IBM Lotus Foundations Start 1.1」は最初のサーバとしての用途が想定されている。同サーバにアドオンするリアルタイム・コラボレーション環境を提供するのが「IBM Lotus Foundations Reach 1.1」だ。既存のNotes/Dominoに向けて2代目以降のサーバとしての用途が想定されているのが「IBM Lotus Foundations Branch Office 1.1」だ。

IBM Lotus Foundations サーバー 1.1

専用サーバであるIBM Lotus Foundations サーバー 1.1は、次のような特徴を有する。

  • 専用コントロールパネルの搭載により、モニタとキーボードがなくてもセットアップ作業ができ、バックアップやリストア作業もボタンのみで可能。
  • 最高15分間隔で自動的にバックアップが行われるので、2セットのディスクを用意することで障害対策が行える。
  • 専用フラッシュメモリにLinuxベースの専用OSを搭載しており、ハードディスクが故障してもリモートからの作業が可能。

各製品の価格は以下のとおりとなっている。

製品名 価格(税抜)
IBM Lotus Foundations Start 1.1 2万1,400円(許可ユーザー単位)
IBM Lotus Foundations Start Server 1.1 3万2,800円(サーバ単位)
IBM Lotus Foundations Branch Office Server 1.1 47万1,900円(サーバ単位)
IBM Lotus Foundations サーバー 1.1 25万円