Wind Riverは、グラフィックスソリューション「Wind River Tilcon Graphics Suite 5.7」の提供を開始したことを発表した。
同ソリューションは、組み込みアプリケーション向けのマルチプラットフォーム対応のGUIを構築および実装可能にする開発ソリューション。2009年2月に買収したTilcon Softwareの資産を活用したもので、2つのユニークなコンポーネントが実装されている。
1つ目はTilcon Interface Development Tool(Tlicon IDT)。これは、GUI設計および開発に、機動的なホスト・シミュレーション・アプローチをもたらすもので、同ツールの使用により、ユーザは、開発の初期段階においてコーディングせずに、また製品コードを書く前に、エンベデッドGUIの設計、プロトタイピング、シミュレーション、テストが可能になる。
2つ目はTilcon GUI Engine。これは、ターゲットデバイスのOS上で稼動するランタイムプラットフォームで、すべてのデバイスアプリケーション、ハードウェア、ソフトウェアと開発されたユーザインタフェースとを統合する。そのため、ユーザは、自分の作業結果を表示しつつ、アプリケーションやプロセスの実行が可能になる。
また、同GUIエンジンを使用することで、基底のアプリケーションコードに影響を与えることなく、グラッフィックスに変更を加えることができるため、新製品の市場投入までの時間を短縮することが可能となる。
さらに、同ソリューションには、VxWorks 6.7およびWind River Linux 3.0向けのターゲット・サポート・パッケージ(TSP)が搭載されており、両プラットフォームとWind River Tilcon Graphics Suiteを組み合せて提供することで、カスタマに対し、単一の完全統合化されたソフトウェア開発ソリューションおよびサポートを1ストップで提供することが可能となる。
加えて、Windows VistaおよびLinuxを含むホストサポートの拡充や広範な総合チュートリアルセット、新しいWind River Workbenchアプリケーションテンプレートを使用した自社の各製品との統合強化、Wind Riverのライセンスやインストーラの活用による他の自社製品との一貫性の確保といった特長を有している。