米Texas Instruments(TI)は、ステレオ、15W出力、フィルタレス、アナログ入力などの特長を備えたClass-Dオーディオ・アンプ「TPA3110D2」を発表した。同製品はすでに量産出荷を開始しており、参考価格は1,000個受注時で1.45ドルとなっている。

Class-Dオーディオ・アンプ「TPA3110D2」の外観

同製品は、フィルタレスEMI(電磁干渉)抑制技術を搭載していることから、インダクタで構成される出力フィルタの追加コストが不要であり、周辺部品コスト(BOM)を最高50%低減することができる。

また、スピーカの損傷を防止する機能を提供する保護回路「SpeakerGuard」技術を搭載しているため、最終機器メーカー各社において、製品の返品や、それに関連したサポートのためのコストの低減が可能となる。

さらに、1kHz、全出力範囲において0.1%未満のTHD+N特性を提供する低歪み性能、ならびに進歩したクリックノイズおよびポップノイズの抑制回路を内蔵しているほか、差動入力により高い同相信号除去比、および高忠実度のオーディオ性能を実現することが可能だ。

加えて、信号の流れに沿ったピン配置により基板レイアウトを簡素化することが可能なほか、一方の端に高電圧ピンを、反対側に入力ピンおよび制御ピンを配置したことで、放熱性能の向上と安全設計の実現ができるという。

「TPA3110D2」のブロック図

なお、同製品のほか、複数の回路構成をサポートし、製品設計に柔軟性を提供する「TPA311xDx」ファミリ製品の提供も開始しており、10Wおよび25Wのモノラルアンプおよび6Wのステレオアンプが提供されている。