マイクロソフトは、仮想化市場を2倍にすることを目標に掲げ、Hyper-Vの普及に努めているが、9月8日、新しい資格の創設や、新ライセンスの提供など、新たな4つの施策を発表すると同時に、NECとの仮想化における協業を発表した。
新施策では、「Hyper-Vコーディネーター資格の新設」「新仮想化推進ツールの提供」「新ライセンスの提供」「仮想化コンピテンシーの新設」の4つを行う。
「Hyper-Vコーディネーター資格の新設」では、Hyper-Vコーディネーターを、同社の従来からの資格であるMCAの下位に位置づけ、合格者にはHyper-Vによる仮想化のハードルを下げ、裾野を広げるという役割が期待される。
取得するには、Web上の無償オンライントレーニング(1年間限定)を受けた後、Web上で検定を受ける。また、合格者のステップアップを支援するため、100名にMCAの受験料が無料になるクーポンを提供するほか、MCAの上位資格にあたるMCTSの受験料を15%値引きする。
「新仮想化推進ツールの提供」では、Hyper-Vの環境での評価を行いたいユーザー向けにアセスメントツールを無償で提供するほか、クラウドベンダー向けに開発テンプレートを無償で提供する。
ユーザーがHyper-Vの評価環境を構築した場合、その評価レポートを出力するツール「Microsoft Assessment and Planning Tookit」 |
クラウドベンダー向けの「Dynamic Datacenter Toolkit」 |
「新ライセンスの提供」では、ECI(Enrollment for Core Infrastructure)というライセンスを、データセンターを構築しようとするユーザー向けに提供する。このライセンスでは、Windows Server 2008 R2、管理ツールであるSystem Center、セキュリティツールであるForefrontがセットで提供され、40CPU以上を購入するユーザーが対象となる(課金はCPU単位)。マイクロソフトによれば、40CPUの場合、単品をそれぞれ購入する場合に比べ、約26%割安になるという。
「仮想化コンピテンシーの新設」では、マイクロソフト コンピテンシーに仮想化の分野を追加する。マイクロソフト コンピテンシーは、マイクロソフトのパートナー向けのプログラムの1つで、パートナーの得意分野が定義される。これによりパートナーは自社の得意分野を顧客にアピールすることができ、マイクロソフトからはトレーニングから案件生成、商談までの支援を受けることができる。ここに参加するためには、過去の実績数などの審査があるという。
NECとの協業では、Windows Server 2008 R2とNECのExpress5800シリーズの組み合わせ検証を共同で実施するとともに、NECはすべてのサーバをWindows Server 2008 R2(Hyper-V)対応とし、10月より順次リリースしていく。
また、NECの仮想PC型シンクライアントシステム「VirtualPCCenter」を「Hyper-V 2.0」に対応させ、12月末より出荷を開始する。
そのほか、NECの統合運用管理ソフトウェア「WebSAM SigmaSystemCenter」とマイクロソフトの運用管理製品「System Center」との連携も強化や、共同セミナー開催、人材育成施策の実施を行うという。