シトリックス・システムズ・ジャパンは9月4日、米国本社のCEOであるマーク・テンプルトン氏の来日に合わせ、プレス向けのラウンドテーブルを開催した。

ここでは、テーマ別にテンプルトン氏のコメントを紹介しよう。

--日本市場について

米シトリックス・システムズ CEO マーク・テンプルトン氏

日本市場は大きな市場で、我々にとって大きなチャンスだ。日本にはR&Dセンターも置いており、東京は日本市場だけでなく、グローバル化、ローカル化の中心的な存在だ。そして、仮想化のソリューションをデータセンターからデスクトップまでEnd-to-Endで提供できるのが我々の価値だと思って日本市場に対応している。

--シトリックスが提供する仮想化がエンタープライズ分野で果たす役割

我々の目標はコスト削減だ。単にITのコストを削減するだけでなく、ユーザーのビジネスコストも削減したいと考えている。

我々が提供するビジネス上の価値は、デバイス中心からオンデマンドのサービス中心にしていくことだ。現在のIT環境は非常に複雑であり、柔軟性に欠けている。また、世の中のビジネス変化に対応できるスピードを持ち合わせていない。この複雑性というのが、エンタープライスコンピューティングが直面している一番の問題だ。

そして、ユーザーはこの複雑性を解決するために、Webのテクノロジーによるサービス志向型のビジネスモデルを求めている。我々の使命は、既存のインフラを活用しながら、ユーザーがサービス志向型の新しいビジネスモデルに移行できるようにすることだ。それには新たなテクノロジーや、新たなパートナーが必要だ。われわれはこの新しい時代のリーダーになることを目指している。

--今後のエンタープライズコンピューティングに求められる要素

ガートナーは、今後、ITのコンシューマ化が起こると言っているが、我々もそう思っている。ユーザーがiPhoneやMacBookを使って仕事がしたいと考える、あるいは早く覚えられるものを求める、こういった、よりシンプルなものを求める消費者の志向、それがユーザーが求めるITのコンシューマ化だ。それは、トレーニング受けることなく誰でも使えるGoogleやAmazon、iTunesの体験に似ているが、これはエンタープライズコンピューティングの現状と全く逆だ。企業は、よりシンプルなアプローチを採用しなければならない。

ITおけるシンプル化というのは、選択の自由でもある。どのような端末でも選ぶことができるという自由だ。また、どのような場所でも仕事ができることでもある。そこにシンプルさのパワーがある。ユーザーがコントロールできるからだ。

エンタープライズコンピューティングにおいてシンプルさを提供するのが、われわれの中核の戦略だ。シンプル化、コンシューマ化というのが、今後のエンタープライズコンピューティングを変革してくことになるだろう。

--ヴイエムウェア社とどのように差別化するのか

データセンター、アプリケーション、デスクトップ、クライアントの仮想化にいたるまで、End-to-Endで仮想化を提供するというのが1つのやり方で、もう1つはシンプルであるということや価格設定、パッケージング、オープンアーキテクチャであるという面で差別化された技術を提供することだ。そして、顧客に対して明らかに違う選択肢があるということを示すことだ。