SEMI(Semiconductor Equipment and Materials International:国際半導体製造装置材料協会)は9月2日(米国時間)、2010年の半導体前工程工場(ファブ)の設備投資額(建設および製造装置)は、前年比で64.1%増となる244億3,800万ドル規模まで回復するとの予測をWorld Fab Forecastレポートにて発表した。
前年比64%と大幅な伸びが期待されるが、実際は2009年が大きく落ちこんだ結果であり、2008年比では20.8%減となる。
SEMIでは、「2009年の生産能力は、世界全体で前年比で2~3%の縮小となる。その主な原因は、31のファブの閉鎖であり、2010年の設備投資額が上昇したとしても、総生産能力は4~5%程度しか増加せず、月間生産能力は200mmウェハ換算で2,150万枚程度に留まる」としており、2010年の設備投資は、新規の生産能力の増強ではなく、既存ファブのライン再構築などに向けたアップグレードが主と予測している。
なお、240億ドル規模の投資の内、140億ドルがTaiwan Semiconductor Manufacturing(TSMC)、GLOBALFOUNDRIES(GF)、東芝、Samsung Electronics、Intel、Inoteraの6社の半導体メーカー(ファウンドリ含む)であり、この6社が少なくとも今後2年間は大型投資を継続するとしている。
設備投資額の推移は以下のとおり。
2008年 | 2009年 | 2010年 | |
---|---|---|---|
ファブ建設投資額(億ドル) | 46.27 | 16.51 | 28.73 |
前年比(%) | - | -64.3 | 74.0(08年比では-37.9) |
建設投資額が1億ドル以上の企業数 | 12 | 3 | 10 |
ファブ装置投資額(億ドル) | 262.26 | 132.40 | 215.65 |
前年比 | - | -49.5 | 62.9(08年比では-17.8) |
装置投資が1億ドル以上の企業数 | 36 | 24 | 30 |
総ファブ投資額(億ドル) | 308.53 | 148.91 | 244.38 |
前年比 | - | -51.7 | 64.1(08年比では-20.8) |