Ubuntuリリースチームは9月3日(英国夏時間)、Ubuntu Linuxの次期バージョン「Ubuntu 9.10(開発コード"Karmic Koala")」のアルファ第5版を公開した。派生バージョンのKubuntu、Xubuntu、Mythbuntuなども同時にアップグレードしている。
前リリースのUbuntu 9.10 α4からの大きな変更は、
- GNOME 2.27.91
- Linuxカーネル 2.6.31-9.29(2.6.31-rc8)
の2点。GNOMEでは、デフォルトのインスタントメッセージ(IM)ツールはEmpathyからPidginに変更、ログインマネージャのgdm 2.27.91が新しくなった。
デフォルトブートローダ(GRUB2)、デフォルトファイルシステム(ext4)、ファイル共有サービス(Ubuntu One)、クラウド対応(Amazon EC2/UECのアルファイメージ)などは、α4からそのまま引き継がれている。
既知の問題としては
- いくつかのタイムゾーンのユーザの場合、インストーラのクロックハンドリングのバグのため、インストール後すぐにファイルシステムがチェックされてしまう→調査続行中、α6で修正予定
- OEMインストールオプションを使用すると、リブート後、デスクトップの起動に失敗する場合がある→調査続行中
- OEMインストーラで、エンドユーザアカウントが正しく設定されないという報告あり→調査続行中
- python-botoパッケージのバグのため、ec2-run-instancesコマンドでEC2インスタンスを起動しようとすると、オプションのユーザデータ追加でエラーが起こる→α6で修正予定
- virtioドライバを使わずに仮想カーネルイメージが構成されているので、「minimal virutual」を選択してUbuntu Server α5をインストールした場合、リブート後は使いものにならなくなる→α6が出るまでインストール/アップデートを控えたほうがよい
- 重要なパッケージがいくつか抜けているため、オルタネートCDを使ってLTSP(Linux Terminal Server Project)サーバをインストールしようとすると、不完全に終わる→α6で修正予定、とりあえずの回避方法としてはインストール後にpulseaudio-esound-compatにdhcp3-serverを追加インストールするとよい
などが挙げられている。
Ubuntu 9.10のリリースチームは、9月にもう一度アルファ版(α6)を出し、10月中にベータ版、リリース候補版と公開、最終的な正式リリースを10月29日に予定している。
Ubuntu 9.04 α5は開発者向けのアルファ版であるため、一般ユーザの使用は推奨されていない。ISOイメージのダウンロードは、32ビット版/64ビット版ともに以下のサイトなどから行うことができる。