大日本印刷は9月4日、文字情報を表示する有機ELパネルと、絵柄をアニメーション表示する無機ELパネルをポスターと一体化させ、さらにパネルスピーカーから音声を出す機能を付加した「光る・しゃべるポスター」を開発したことを発表した。
ベガルタ仙台の協力の下、「光る・しゃべるポスター」を利用した実証実験が仙台市内で同日から12月まで実施される。ポスターは、プロサッカーチーム「ベガルタ仙台」のエンブレムを表示し、背景の放射状の絵柄やエンブレムの内部が無機ELのセグメント方式の発光によってランダムに点灯してアニメーション効果を表現し、ポスター左上部の有機ELパネルに試合日程やお知らせなどの文字情報が表示される。同時に、スピーカーから応援歌などの音声を流すことで、宣伝効果を高めることができる。
文字などの可変情報を表示する有機ELパネルは、インキ状にしやすい高分子有機EL材料を用い、グラビア印刷技術を応用して基材に塗布するというDNP独自の方式で製造されている。同方式は従来の蒸着方式と比較して、パネルの大型化・低コスト化・短納期化を実現する。
無機ELパネルは、インクジェットプリンタで絵柄をフルカラー印刷したフィルムを貼り合わせ、無機ELの発光により絵柄にアニメーションのような変化を持たせることで、注目効果を高めるよう工夫されている。また稼働時間が最長2万時間と長寿命で、消費電力も蛍光灯の約60%と省電力のため、運用コストの削減が図れる。
同社は今後、実証実験などを通じて、同ポスターの実用化に向けた技術検証を行うとともに、文字などの可変情報をネットワークを通じて配信するシステムといった周辺システムの整備を進め、同社が提供しているオンデマント印刷サービス「Pos-La」の新製品として、2010年春より販売を開始する予定。