調査会社の米IDCは9月2日(現地時間)、2009年第2四半期の世界のサーバ市場調査を発表した。同四半期の売上は全体で98億ドルと前年同期比30.1%の大幅ダウン、4四半期連続での減少となった。同社によれば1996年に調査を開始して以来の最低の売上水準であり、出荷台数ベースでも30.4%の減少と前四半期よりさらに拡大するなど、企業がIT投資を大きく抑制している様子がみてとれる。
減少はローエンドのボリュームゾーン、ミッドレンジ、ハイエンドの3つのカテゴリすべてで発生しており、特にハイエンドの落ち込みが大きい。世界規模でもすべての地域で大きな減少が発生しており、経済不況の深刻さがわかる。だがIDCによれば、現存するシステムの老朽化が進んでおり、企業はそう遠くない未来に将来への投資に目を向けるようになり、経済状況の安定する2009年後半にはサーバ需要が復活すると予測している。
ベンダ別では、順位はIBM、HP、Dell、Sunとなり、シェアや順位に大きな変動はない。主要ベンダ5社で最も落ち込みが激しかったのがSunで、主力事業であるハイエンドでの落ち込みのほか、Oracle買収による将来の不透明さが嫌気されたという見方がある。
ベンダ別の売上シェア
ベンダ | 2Q09売上 | 2Q09シェア | 2Q08売上 | 2Q08シェア | 成長率 |
---|---|---|---|---|---|
IBM | 33億8,500万ドル | 34.5% | 45億9,600万ドル | 32.7% | -30.4% |
Hewlett-Packard | 27億9,800万ドル | 28.5% | 40億1,700万ドル | 28.6% | -30.4% |
Dell | 12億2,100万ドル | 12.4% | 16億6,700万ドル | 11.9% | -26.8% |
Sun Microsystems | 9億8,100万ドル | 10.0% | 15億6,200万ドル | 11.1% | -37.2% |
Fujitsu/Fujitsu Siemens | 3億4,500万ドル | 3.5% | 5億3,100万ドル | 3.8% | -35.0% |
その他 | 10億8,400万ドル | 11.0% | 16億6,800万ドル | 11.9% | -35.0% |
合計 | 98億1,400万ドル | 100% | 140億4,000万ドル | 100% | -30.1% |
それ以外のデータでは、x86サーバのトップベンダ3社の売上が計測開始以来で最低水準に落ち込んだことが挙げられる。HP、Dell、IBMともに20%超の落ち込みを記録しており、比較的好調だったPCサーバでも厳しい状況にある。だが非x86サーバが32.2%の下落を記録するなかで、x86サーバは28.1%の減少、Windows Serverではさらに少なく27.7%となるなど、全サーバのカテゴリでは最も好調さを維持している。