矢野経済研究所は9月2日、アフィリエイト市場について、2008年の市場規模と2009年~2012年の市場予測を発表した。同発表によると、2008年度のアフィリエイト市場規模は813億1,000万円、前年度比120.2%と二ケタ成長を遂げたという。
2008年度のアフィリエイト市場規模の内訳は、PC向けアフィリエイトが521億5,000万円(前年度比117.3%)、携帯向けアフィリエイトが291億6,000万円(前年度比125.7%)というもの。
同市場の急拡大の背景について、アフィリエイト市場には費用対効果を重視する新規広告主の増加と既存広告主の予算額の増大、広告掲載媒体の増加があり、一方で生活防衛や副業を目的として、アフィリエイトを開始するパートナー(ユーザー)が増加していることがあると、同社では分析している。
さらに、電子商取引分野において、ブログや商品レビュー上で展開されているクチコミの影響力に対する評価が向上しており、そのクチコミに期待してアフィリエイトを開始する広告主(大手広告主含む)が増加していることも、市場拡大の要因となっているとしている。
携帯向けアフィリエイトでは、大型SNSなどの大型媒体がアフィリエイトを採用していることや、モバイルインターネットユーザーのモバイルインターネットの利用時間や利用頻度の増加が、市場拡大を推し進めていると、同社では分析している。
同市場規模は今後、2009年度には949 億円(前年度比116.7%)に拡大し、2010年度に1,000億円を超え、2012年度には1,235億円(前年度比106.0%)まで拡大すると、同社では予測している。市場拡張の要因としては、引き続き広告主の費用対効果に対する意識の高まりが予測されることから広告主のアフィリエイト予算額の増大や広告主数の増加が続くこと、大手広告主の増加、パートナーのアフィリエイト実施、報酬獲得へのハードルが低下してアフィリエイトパートナー数が増加すること、EC市場の伸張が挙げられている。
ただし、アフィリエイト業界全体ではなりすましで不正に報酬を獲得するなどの問題が、また、モバイルアフィリエイト市場では広告掲載サイトが不足していることなどの問題があり、業界全体として不正の排除が必要だと指摘されている。