米Yahoo!の最大の株主であり、同社のボードメンバーでもある投資家のCarl Icahn氏が手持ちのYahoo!の1,270万株を売却したことが、8月31日(現地時間)に米証券取引委員会(SEC)に提出された書類で判明した。米Associated Press (AP通信)など複数のメディアが報じている。売却は過去3日間の営業時間内に行われ、現在の同氏の持ち株比率は全体の4.5%となっている。この理由についてIcahn氏は「手持ちのポートフォリオ整理のため」と説明する。

同氏の現在の持ち株数は6,290万株であり、もともと5.4%だった持ち株比率からおよそ2割弱の株を処分したことになる。売却時のYahoo!株価のレンジは14.74 - 14.93ドル程度とみられ、1年以上前にYahoo!とMicrosoftが買収戦を繰り広げていた時期の株価である30ドル前後からは大きく落ち込んでいる。Icahn氏自身は、2008年5月にMicrosoftがYahoo!買収撤回を表明してYahoo!株価が25ドル近くにまで落ち込んだタイミングを狙い、まず全体の3.5%の株式を購入。その後に買い増しを続けて5.4%の水準まで引き上げてきた。

平均取得額から10ドル以上株価が落ちたことで大きく資産が目減りしていることは間違いないが、同氏はまだYahoo!が持ち直すことを諦めたわけではないようだ。実際、ピーク時から依然として80%以上の株を保持し続けている。AP通信によれば同氏は現在移動中でコメントがとれなかったが、SECへの提出書類の中でCarol Bartz氏率いるYahoo!の長期的な視野やMicrosoftとのパートナーシップが良い効果をもたらすことになると説明している。