撮り溜めた写真作品、仕事で撮影したけど使わなかった写真……etc。デジタルカメラで撮影した写真は増え続ける一方なはずです。けれども、いつの間にかPCの容量を占領しつつある写真を、お金に変える方法がある。そんな夢のような話しがあることをご存知でしょうか?
キーワードは「ストックフォトサービス」。書籍『写真で稼ごう』(LOCUS. AND WONDERS.著/PIXTA監修/弊社刊)では、写真販売のフローから、売れる写真の撮り方まで、誰もが自身のクリエイティビティをお金に変えられる方法を丁寧に解説しています。ここでは、同書で紹介されている内容を複数回に分けて掲載。第1回は、ストックフォトサービスについて解説してみましょう。(※テキストは本書を参考にしています)
売れている写真はどちらでしょうか?
次の2枚の写真のうち、ストックフォトサービスに登録された素材写真として、より多く「売れている写真」はどちらだと思いますか? 写真の良し悪しではなく、あくまでも売り上げ金額が高い写真はどちらかを考えてみてください。
正解は、A「オフィスの女性」の写真です。この写真は、ストックフォトに登録後44回の販売実績で、売上金額は13万8,600円。購入者はグラフィックデザイナー、WEBデザイナー等です。一方の「外国人モデルの女性」の写真は、登録後2回の販売実績で、売上金額は1,000円。つまり、ストックフォトサービスで写真を売る時に気を付ける点は、雰囲気や格好良さ、いわゆるエッヂのきいた「作品としてのいい写真」と「売れる素材写真」は決してイコールではないということです。
「ストックフォトサービス」とは?
簡単にいえば、文字通り写真をストックして(預かって)販売するというサービス(イラストやグラフィックなども併せて扱っていることが多い)のことです。一般的には、WEBや広告、出版物などを制作する際に制作する側が目的に合った写真を素材として選び、使用料を支払うことで利用されているサービスのこと。目的に合わせて撮影を行う場合に比べると、ストックフォトを利用することで撮影の手間や時間、何よりもコストを大幅に削減できます。また、膨大な商品から目的・イメージに合った素材をセレクトできるというメリットもあります。
以前はレンタルポジ、レンタルフォトと呼ばれ、カタログ本からイメージに合う写真を探し、郵送されてくるポジフィルムをスキャンして使っていました。現在では、24時間いつでも検索、ダウンロードが可能なインターネットを利用したサービスが中心となっています。
有名なストックフォトサービスとしては、amanaimages、Getty Imagesなどがありますが、写真を登録できるのは実績のあるプロフォトグラファーに限られます。さらに、これら従来からあるストックフォトサービスでは、写真1点あたりの利用料も1万円を超えるものが多く、気軽に使うというには敷居が高いものでした。
プロでなくても写真を売れるサービスの登場!
2003年ごろからのデジタル一眼レフカメラの急速な普及に伴い、プロでなくとも高品質な写真が撮れるようになりました。そうした流れを受け、アマチュアカメラマンでも活躍できる場を提供するために立ち上がったストックフォトサービスサイトのひとつがPIXTA(ピクスタ)です。2006年5月31日のオープン時の登録クリエイターの数は50人でしたが、いまやプロアマ問わず1万4,000名以上が登録し、誰でも写真やイラストを販売できる、素材のマーケットプレイスサイトに成長しています。
会員登録を行い簡単な基本技術審査をクリアすれば、誰でも自分の作品を販売できるため、一般的なストックフォトサービスに比べて敷居は低く、登録の際の費用も一切かかりません。また、本名を明かさずニックネームのみで販売できるうえ、通常のストックフォトにはない高いロイヤリティ率が設定されているのもPIXTAの魅力です。もちろん、作品が採用されれば実際に企業の広告や制作物に利用されるので、参加クリエイターにとっては自分の作品が評価されると同時に収入を得ることができます。
購入者であるデザイナーや編集者にとっても、安価でバラエティに富んだ素材をいつでも利用することができることはもちろんのこと、目的の素材をリクエストして広く募集することができます。今やWEBや携帯をはじめ、ポスターやテレビまであらゆるメディアに利用されているサービスです。
以下は、PIXTAの価格表。写真を販売する登録クリエイターは、この販売金額の40から55%を手にすることができます。
サイズ | 金額 | ピクセル数 |
---|---|---|
S | 525円 | 640×480px程度 |
M | 1,575円 | 2,500×1,500px程度 |
L | 3,150円 | 4,000×3,000px程度 |
XL | 5,250円 | 4,500×3,500px程度 |
次回は、「どんな写真が売れるのか」について紹介します。
『写真で稼ごう』
毎日コミュニケーションズ
発売中
著者:LOCUS. AND WONDERS.
監修:PIXTA
判型:B5変型/128ページ
ISBN:978-4-8399-3282-4