横浜で開催されている「Tech・Ed 2009」では、2日目にあたる8月27日に、マイクロソフト 伊賀絵理子氏によるテクニカルセッション「Hyper-V 2.0 設計と構築のポイント」が開催された。

このセッションでは、Hyper-Vにより仮想環境を構築、導入する上での注意事項や推奨のベストプラクティスなどが解説された。

伊賀氏はまず、 Hyper-V1.0と2.0については、基本的な設計上の考え方に大きな違いはないとした上で、構築のポイントとしては、ペアレントOSを考えた上で、ゲストOSを考えることが必要だと指摘した。

ペアレントOSにServer Coreを利用するかどうかについて伊賀氏は、インストールオプションによって選択すべきとした。

伊賀氏は、ペアレントOSとしてのリソース消費量は、Server Coreのほうが少ないが、マイクロソフト社内の検証では、ゲストOSのパフォーマンスには影響がほとんどないということで、ゲストOSのパフォーマンスを考慮して、Server Coreを選択する必要はないとした。

Server Coreインストールと完全インストールの違い

Server Coreを選択するメリットとしては、ペアレントOSとしてのリソース消費量が少ないという点と、モジュールが少ないので攻撃対象のリスクが少ないという点があるが、ドライバが対応していない場合があるなどのデメリットもあるという。

Server Coreのメリット/デメリット

その上で伊賀氏は、大規模な場合はServer Coreを選択し、初回時や小規模な場合は、通常の完全インストールを選択したほうがいいとアドバイスした。

プロセッサのポイント

プロセッサについては、Hyper-Vはプロセッサのコア単位に論理プロセッサ(LP)が構成され、各LPに対してペアレントOSが仮想プロセッサ「RootVP」を用意。そして、その上に各ゲストOS上の仮想プロセッサ「VP」が追加される。そして、LP1つに対しては、VPは8個までサポートされるという。

Hyper-Vプロセッサのしくみ

伊賀氏は、プロセッサを設計する上でのポイントは、ペアレントOS用に1つのRootVPを確保することと、パフォーマンスを重視する場合は、たくさんのコアを持ったプロセッサを利用することだとした。