ビーブレイクシステムズは8月25日、システム業界における景気動向をまとめたレポートを発表した。同社は自社で手がけたシステム案件などをもとに現場の目線で分析したシステム業界の景気動向を定期的に発信している。
同社によると、7月頃から引き続きシステム関連企業の倒産は多いようだが、最近は企業再編の話を耳にする機会が増えているという。あるグループ親企業が買収して子会社とした50名規模のシステム開発会社の株をグループ関連会社に安価で売却した事例や、グループ親会社が保有していた株を役員に売却してグループから離脱した事例など、さまざまなところで企業の再編が進んでいるそうだ。
再編が進んでいる理由の1つに、対象企業が赤字であるためグループの決算報告から除外することがあると、同社では分析している。また、企業再編に伴いよりコスト削減を求められる企業があり、そのような企業ではコスト管理の厳格化を図るためのIT投資を検討しているケースもあるという。
また8月は閑散期ながら、インターネット関連など一部の好調な業種では、100人月程度の中規模プロジェクトが立ち上がるなど、積極的にIT投資を行っている企業が多いとしている。他の業種でも、企業のIT投資に関する検討が8月に入って本格化しており、システム構築の提案を依頼されるケースが増えてきている。
しかし、前年同期と比べ企業はIT投資に対して厳しくなっており、予算規模が同じもしくは縮小しているにもかかわらず、システム構築に関する提案依頼の項目数が1.5倍に増え、個別の機能要件はこれまで以上に複雑になってきている、と同社ではコメントしている。