ロボット大好きな日本、しかし普及はまだ先?
この夏、お台場・潮風公園に18mの実物大ガンダムを出現させた「GREEN TOKYO ガンダムプロジェクト」は、予想以上の来場者を集めているという。実際に動くのは頭部のみだ、デモンストレーションが始まると観客からは感嘆の声が上がる。巨大な人型が動くということはそれだけでエンタテインメントであり、作りこまれたディティールは、巨大ロボットという可能性を感じさせてくれた。
また、8月6日に見事成功した、パナソニック乾電池の長もち実証ロボット「エボルタ号」によるル・マン24時間チャレンジも、テレビで報じられ多くの人の感動を呼んだようだ。機能的にはひたすら先導車を追い続けるシンプルなロボットだが、小さな身体で健気に動き続ける姿は人々に感情移入させ、心を動かす。"エボルタ"を製作したロボットクリエイターの高橋智隆氏も、夏休みの子どもたちを対象にした各種イベントに登場。高橋氏のロボットはハンドメイドで、ガンダムに比べればどれもテーブルの上に乗る小さなものだが、やはりデモのたびに歓声が上がる。
こうした人々の反応を見るに、日本人、日本という国はやはり特別にロボットが好きなのだな、と思わされるのだが、一方で、もうすぐ、もうすぐ、と言われながらも、なかなかロボットが一家に一台、という状況にはなっていかない歯がゆさもある。
産業用ロボットの世界は1970年代に大きな発展を遂げ、1980年に通商産業省(当時)が「ロボット元年」を宣言。一時は世界中の生産台数の9割が日本製という圧倒的なシェアを持つに至った。各地でロボットイベントが開催され、トミー(当時)の高級ロボット玩具「オムニボット」シリーズも登場、1985年のつくば科学万博を前に、ロボットブームが巻き起こった。「あなたの家にももうすぐロボットがやってくる!」といったうたい文句もこの頃から出てきたように思う。
しかし、それからはや四半世紀。未来の代名詞であった"21世紀"が到来し、「AIBO」や「ASIMO」の登場で、いよいよだ! と思い、愛・地球博で紹介された多数のロボット達を見て今度こそは!と思わされ……。携帯電話は誰もが持つようになったも、ロボットの方はなかなかそのような状況になっていかないようだ。