NECは8月25日、公共図書館の利用活性化や業務効率化を実現する複数のシステムをSaaS型で提供する「GPRIME(ジープライム) 電子図書館サービス」を発売した。価格は初期費用が50万円から、月額利用料が5万円から(いずれも税別)。

同社によると、同種のサービスのSaaS形態での提供は国内初とのこと。

新サービスは、図書館員や住民が郷土に関連する情報や書籍をWikiの仕組みを用いてWeb上で事典のように作成・蓄積・閲覧できる「わいわいライブラリー」、複数の図書館の垣根を越えて図書館員やボランティアなどがコミュニケーションできる「SNSサービス」、都道府県内の図書館や大学の蔵書を一括検索できる「横断検索サービス」、従来は主に紙書類を使用していた図書館間の相互蔵書貸借業務を支援する「ILLサービス」の4メニューで構成する。

「GPRIME(ジープライム) 電子図書館サービス」

わいわいライブラリーは、郷土の地理・歴史・人物などや関連する書籍を、ID・パスワードを発行された図書館員や住民が自由に書き込み・追記し、ネット上で表示・共有できる仕組み。既存の図書館システムと連携し、記載された関連図書から図書の詳細情報の閲覧や予約申請も可能だ。

SNSサービスは、SNSの仕組みを用いて各ユーザーや各図書館のホームページを作成。図書館員やボランティア同士、また図書館間など各種グループにおいて、話題の図書や図書館における催しの企画などの情報やノウハウ共有を、自発的かつ気軽に行える空間を創造するもの。既存の図書館システムと連携するサービスも可能。

横断検索サービスは、都道府県内の図書館や大学にある蔵書に加えて、書店がWebで公開する書籍データベースや電子ジャーナルの横断検索も可能。従来は各図書館が個別にシステム構築(SI)して運用管理する場合が多かったが、同サービスの利用により5年間で最大約40%のTCO削減が可能という。

ILLサービスは、借受依頼後のステータス(受付・貸出・受領・返却など)を集中的に管理でき、業務効率を向上が可能。SI型と比べて5年間で最大約40%のTCO削減が可能としている。

先行的に、島根県立図書館が4メニュー全てを、大阪府豊中市図書館がわいわいライブラリーおよびSNSサービスを既に導入した。メニュー構成は、ニーズに応じて順次拡充していくという。

GPRIME 電子図書館サービスの価格表

サービス名 初期費用(税別) 月額利用料(税別)
わいわいライブラリー 50万円から 8万円から
SNSサービス 50万円から 8万円から
横断検索サービス 250万円から 12万5,000円から
ILLサービス 100万円から 5万円から