転職先に求める要素とは-- 人材派遣会社のパソナキャリアがこのほど行った「転職時の企業選びの基準に関する調査」で、世代別の転職先企業選びの価値観の差が明らかになった。

調査は、2009年4月1日から30日にかけて、パソナキャリアを訪問した転職希望者を対象に、アンケートを配布して実施。有効回答760件のアンケート内容を集計した。

アンケートでは、転職時に企業を選ぶ"基準"として、「仕事内容」「年収」「仕事のやりがい」など18項目を例示。それらを最も重視する項目として1つ、基準となるものとして複数項目をそれぞれ選択させた。

その結果、全世代を総合して転職時に企業を選ぶ"基準"として挙げられた項目の1位は「仕事内容」。2位「年収」、3位「仕事のやりがい」、4位「勤務地」、5位「長く働けそうかどうか」の順となった。

一方、最も重視する要素として挙げられた項目の1位は「仕事内容」。以下は2位に「仕事のやりがい」、3位に「長く働けそうな会社かどうか」、4位に「職種」、5位に「企業の雰囲気・風土」と続き、企業選びの基準として挙げられた上位項目とは異なる結果が示され、企業選びの基準には年収や勤務地といった条件面は重要だが、最終的な決定基準となるのは、実際の仕事の内容や企業に関する評価を重視していることがわかった。

また、こうした傾向は年代別でも異なる様相を示している。たとえば、40代の重視する項目のトップ3は「年収」「職種」「勤務地」が並んだのに対して、「仕事のやりがい」や「企業の雰囲気・風土」は下位に留まっており、40代の転職では現在の条件面を維持しながら企業選びをする傾向にあるということが示された。

一方、30代では35歳を境に前半と後半で両極端な結果が表れた。30代前半では、「長く働けそうな会社かどうか」「福利厚生」「勤務時間」といった安定性を求める人の割合は少ないのに対して、30代後半では「長く働ける会社かどうか」「経営方針・ビジョン・経営者」といった項目を重視する傾向が強く、長期雇用を見据えた企業選びをしているようだ。 また、最も若い世代である20代では、「福利厚生」「勤務時間」が上位に。特に20代前半の世代では、「勤務地」や「仕事のやりがい」を重視する割合が高い一方で、「仕事内容」「職種」「年収」を挙げた人が全体に比べても少数となり、具体的な仕事の内容や年収よりも、働くスタイルや仕事へのやりがいを重視していることがわかった。