欧州委員会(EC)は8月18日(ベルギー時間)、モバイルブロードバンド推進の一環として4G規格「Long Term Evolution(LTE) Advanced」の研究に1800万ユーロ(約24億円)を投じる計画を発表した。モバイル分野での技術的優位性を確保する狙いだ。

LTE Advancedは、3.9G規格であるLTEの強化・発展版。国際電気通信連合(ITU)が定める4G規格「IMT-Advanced」として、標準化団体3GPPが仕様を策定中の通信規格だ。通信速度は下り最大1Gbps実現を目標にしている。欧州は世界の無線ネットワークの80%で実装されているGSM(2G)を生んだこともあり、研究開発により第4世代でもリードと競争力を維持する狙いだ。欧州のテレコム市場の支援のほか、固定ブロードバンドが普及していない地域へのブロードバンド普及対策などのメリットを見込む。

ECは2009年9月より、プロジェクトコンソシアムらと話し合いを進め、フィンランド、スウェーデン、英国など9カ国の研究者と産業界でプロジェクトの詳細を決定する。プロジェクトは、2010年1月にスタートとなる計画だ。

欧州では、フィンランド、ドイツ、ノルウェイ、スペイン、スウェーデン、英国の6カ国でLTEのトライアルが進んでおり、加盟国の中ではスウェーデンで2010年前半にサービス開始が予想されている。