矢野経済研究所は8月18日、企業向け研修サービス市場に関する調査結果を発表した。同発表によると、2008年度の企業向け研修サービスの総市場規模は前年度比1.9%減、5,640億円となったという。同年度、上期は好調だったが、下期より世界不況の受け、前年度より市場が縮小した格好だ。
同調査は4月から6月にかけて、研修サービス事業者、一般企業・官公庁・団体(従業員数1,000人以上規模)を対象に行われたもの。
2008年度上期は大手企業の新人採用が前年に引き続き好調で、新人を受け入れるマネジメント層向け研修を始め、階層別研修が全般的に好調に推移し、マナー・接遇研修、IT関連の研修、チームビルディング(組織構築)、ロジカルシンキング(論理的思考力)など、あらゆるテーマ・形態の研修サービスが軒並み好調だった。
一方、下期は2009年1月頃から公開セミナー・階層別研修の需要が、中堅・中小企業を中心に急激に落ち込み、結果として上期の成長分を取り崩した形となり、2008年度の市場規模は前年度比で縮小となった。
同調査に関連した研修サービスを利用するユーザーへのアンケート調査結果によると、2009年5月時点で「前年と比べた集合研修の実施回数・規模の変化」に対する回答は、「増えた」が11.5%、「変わらない」が54.2%となった。集合研修は縮小する動きが見られるものの、需要は底堅いという結果が出ている。
同市場の将来展望について、2009年の冬までに景気回復の兆しが見えた場合、2009年度の企業向け研修サービスの総市場規模は5,360 億円(前年度比5.0%減)、2010年度は5,430億円、2011年度は5,550億円と回復基調になると予測されている。