IDC Japanは8月11日、2008年における国内システム/ネットワーク管理ソフトウェア市場規模実績と2013年までの同市場規模予測を発表した。同発表によると、2008年の同市場規模は、前年比6.4%増の2,774億3,100万円となり、2008年~2013年の年間平均成長率は4.7%で成長し、2013年には3,486億円に達する見込み。
2008年の同市場の成長率(6.4%)は、2007年(11.7%)と比べると5.3ポイント下がった。これは2008年の上半期は2007年から続いた金融や通信、公共に向けた案件が好調に推移してたが、下半期は金融危機以降景気が悪化した影響を受け市場が減退していったからだという。特にこれまで市場を牽引してきたジョブスケジューリングツールやイベントオートメーションツールの成長が、システム更改案件の減少などにより大幅に鈍化した。その一方、変更/構成管理ソフトやパフォーマンス管理ソフト、問題管理ソフトは高い成長を維持している。
上記のソフトが成長維持している理由は、日本版SOX法の施行により、システム運用管理面において検討され始めているIT全般統制への取り組みが同市場の成長を促進しているからと同社は見ている。その初動として、大手企業を中心にシステム全体の可視化を図るため構成管理やIT資産管理の導入が増加している傾向が見られ、それが変更/構成管理ソフトウェアの成長に寄与しているという。加えて、障害対策に向けた動きも強まりつつあり、ハードウェアの監視のほか、データベースやアプリケーションサーバーのようなミッションクリティカルな業務システムで用いられるアプリケーションのパフォーマンス監視に対する需要が増加しているという。
同社では、今後もIT全般統制や障害対策に対する投資は強まっていくと見ており、変更/構成管理ソフトや問題管理ソフト、パフォーマンス管理ソフトの成長が同市場を牽引していくほか、サーバ仮想化も同市場の成長を促進する要因になると考えている。仮想化が浸透するにつれ、物理環境と仮想環境の一元的な構成管理やリソース管理、プロビジョニングの自動化など、運用管理ソフトを用いて仮想環境を効率的に管理するためのニーズが高まっていくとしている。