ビーブレイクシステムズは8月10日、システム業界における景気動向をまとめたレポートを発表した。同社は自社で手がけたシステム案件などをもとに現場の目線で分析したシステム業界の景気動向を定期的に発信している。
同社によると、システム開発の案件数は4月以降横ばい傾向が続いているが、エンジニアの単価はシステムエンジニアやプログラマーなどの職種に関係なく、大幅に下落しているという。システムエンジニアの場合、昨年同期に比べと2割程度単価が下落したケースも聞くほか、今年の4月以降、案件に携わることができないエンジニアが出て、契約社員になるか退職を余儀なくされている設立3年ほどのシステム開発会社もある。
システム業界は全体的に厳しい状態にあり、特に下請け専業企業や設立間もない内部留保が少ない企業の中には、国の助成金を受けて凌ぐか、倒産に追い込まれているところもあるようだ。
一方、例年、夏休みシーズンの関係上、8月は企業からのシステム構築の提案依頼は極端に少ない傾向にあるが、今年は8月になっても減るどころか増加傾向にあるという。
この要因について、同社では、企業のIT投資に対する意欲が増してきたという側面と、昨今の経済状況からIT投資に関する社内での検討が長引いて通常は5~6 月で判断するところが今月まで延びたという2つの側面があると見ている。
しかし、システム開発会社に対する提案依頼項目は多岐にわたり個別機能要件も複雑になってきているうえ、予算額も絞られているため、システム開発会社にとって一概に楽観的な状況とは言えないと、同社では分析している。