URL短縮(URL Shortening)サービスの「Tr.im」を運営するNambu Networksは8月9日(米国時間)、同サービスの提供を突然終了したことを発表した。登録済みURLの転送については2009年いっぱいまで実施される。Twitterブームに乗って利用者の急増したこの種のサービスだが、Nambuによれば増え続けるコスト負担に耐えきれず、適切な売却先も見つからなかったのがサービス停止の理由だという。

Twitterの利用に欠かせない短縮URLサービスだけに、閉鎖の影響はわりと大きい?

URL短縮サービスとは、「http://journal.mycom.co.jp/news/2009/08/07/005/」といったフルサイズのURLをあらかじめ登録しておくことで、例えば「http://tr.im/mycomj」といった好きなキーワードや自動生成された短い文字列で置き換えることが可能なもの。URLを打ち込む手間が少なくて済み、キーワードで簡単にURLの記憶が可能なほか、140文字という文字数制限のあるTwitterでは、URLを記載する方法としてかなり頻繁に利用されている。Tr.imは数あるURL短縮サービスの1つであり、Twitterブームとともに急速に利用が広がったようだ。

だが一方でこれがアダとなり、ユーザーの利用増に対してサーバ設置コストやプログラム開発投資、回線負担が追いつかなかったという。NambuではTr.imのBlogの中で、サービス継続の方法を模索していたことを記述しているが、サービス停止か売却かのいずれかの選択肢を選ばざるを得なかったようだ。だが以前のレポートにもあるように、URL偽装という特徴を利用して、URL短縮サービスを使うスパムやマルウェア業者の数も急増しており、売却先によってはTr.imを悪用するケースも想定される。実際、サービス停止の話を受けていくつか買収提案があったというものの、Nambuが想定する基準を満たした業者はいなかったようだ。そのため、最終的に一番利用者に影響の少ないサービス停止の道を選んだという。

ネット界隈では突然のサービス停止というのは一種の恒例行事となっているが、ユーザーの立場として、深く入り込むとなかなか抜け出せず、その際の被害も大きいという状況を改めて確認させられる。