米海軍がFacebookやMySpace、TwitterなどのSNSの利用を全面禁止した。8月4日(現地時間)に米Associated Press (AP通信)など複数のメディアが報じている。SNSを利用することによる外部への情報流出リスクを懸念しているとみられ、こうした事例や急増するサイバースパイ事件に頭を悩ませる米国政府関係者の意志が働いた結果といえそうだ。

今回の命令が発令されたのは3日(現地時間)で、米海軍内のネットワーク内からのSNSへの接続が禁止される。同軍は声明の中で「これらサイトは一般に悪意に満ちた行為やコンテンツの温床であり、特に情報流出に関連した高いリスクを抱えている」とその理由を述べている。現在米国防総省ではこうした問題の調査を行っている段階であり、リスクとメリットの両面を天秤にかけて今月中にも評価を下す予定となっている。今回の決定もまた、こうした引き締め策の一環だとみられる。一方で同ネットワーク外での関係者のプライベートでの利用までは禁止されていない。

政府のセキュリティ問題とはまた別に、最近ではこうしたサービスを利用した事件やトラブルが急増している。例えば米San Francisco Chronicleによれば、米ウィスコンシン州グリーンベイを拠点にするアメリカンフットボールチームのGreen Bay Packersでは、ミーティングの内容をSMSやTwitterで流したチームメンバーには罰金を科すつもりだと通告があったという。Miami Dolphinsでも選手に対してTwitter禁止令が出ているほか、San Diego Chargersの選手Antonio Cromartieが同チームキャンプの食事への不満をTwitterで流したことで2,500ドルの罰金を申し渡されている。また先日レポートしたように、Twitterにアパートの不満を書き込んだところ、大家に5万ドルの損害賠償請求を起こされる事例も発生している。