ミック経済研究所は8月4日、デスクトップ仮想化を含めたシンクライアントソリューション市場に関するマーケティングレポートを7月8日に発刊したことを発表した。同発表によると、システム構築を含めたシンクライアントソリューションの市場規模は、2008年度が前年対比113.5%の431.2億円、2009年度が前年対比122.4%の527.6億円の見込み。

同市場は以降も成長を続け、2013年度には1,417億円規模になり、2008年度から2013年度までの平均成長率は27.0%と予測されている。

シンクライアントソリューション市場規模の推移 資料:ミック経済研究所

経済環境が悪化するなか、成長を続けている要因として、シンクライアントソリューションにコスト削減が期待されていると、同社では分析している。同社によるユーザー調査では、71.3%のユーザーがシンクライアントソリューションによって運用・管理コストの削減が行えた点に満足していると回答しているという。

もう1つの要因として、シンクライアントの実現方式としてサーバに構築した個別のOS環境を利用する「仮想PC型」が登場したことから、10台~30台程のスモールスタートから全社導入を検討する企業が増えたことが挙げられている。

さらに、2009年度はUSBやソフトウェアを用いて既存PCをシンクライアント化するツールが、新型インフルエンザの世界的な流行に備えた「パンデミック対策ツール」として活用され、シンクライアントソリューション市場の伸びに貢献した。加えて、事業継続という観点からも、自宅のPCにUSBを挿すだけで社内環境にアクセスできるツールへのニーズは増えており、今後も同市場の大幅な成長が期待できると予測されている。

シンクライアント端末出荷台数推移 中期予測グラフ 資料:ミック経済研究所