富士通は、マイクロソフトとの協業により、「Office SharePoint Server」を組み込んだ同社のグループウェア「Teamware」の新製品「Teamware Collaboration Suite」を発表した。8月31日から出荷が開始される。

TeamwareではSharePoint Serverを組み込むことにより、ファイル共有機能、統合検索機能、ブログやWikiなどのコミュニケーション機能を取り込むことができる。

両社は、「Teamware Collaboration Suite」は、富士通のエンタープライズ分野での実績とマイクロソフト強みであるインフォメーションワーカー製品を融合させたものと語る

Teamware Collaboration Suiteでは、統合検索機能、タスク機能、Webパーツ機能の3つの新機能が提供されている。

統合検索機能では、グループウェア、ファイルサーバ、ブログ、Wikiなどの格納場所やデータ形式を問わずに情報の統合検索ができる。

統合検索では、グループウェア、ファイルサーバ、Webでの横断的な全文検索が可能になった

タスク機能では、複数名への作業依頼、進捗管理、回答集計をまとめて実行できるほか、複数担当者の進捗状況(未処理、処理中、処理済)を一覧で確認できる。

タスク機能は前バージョンから存在していたが、共有ファイルとの連携部分が強化されている

Webパーツ機能では、Teamwareの15種類に加え、SharePoint Serverの66種類のWebパーツが提供され、管理者はこれらを組み合わせることで、ポータルサイトを構築できる。

Webパーツを組み合わせてポータルサイトを構築することが可能に

そして今後は、Exchange ServerやSharePoint Server 2010との連携も図っていくという。

動作OSは、Windows Server 2003/2008で、価格は98万円。ほかにユーザーライセンスが必要で、1ユーザーライセンスが2万2000円となっている。

「Teamware Collaboration Suite」のポータル画面

統合検索

Webパーツを組み合わせたポータル画面

タスク機能

両社は今年の3月26日、エンタープライズ市場におけるソリューションビジネスでの協業を発表した。これにより、両社はアライアンス体制強化のため、富士通内に協業推進部門を設置したほか、富士通のエンジニアがマイクロソフトに常駐して問い合わせやトラブルに対応する「ジョイントサポートチーム」の結成、富士通グループ会社含め3年間で2,000名のマイクロソフト認定エンジニアを育成などを行っている。

富士通 ミドルウェア事業本部本部長 新田将人氏

今回の新製品は、これらの協業をミドルウェア分野まで進化させたものだ。富士通によれば、ミドルウェア分野での協業は国内初だという。

富士通 ミドルウェア事業本部本部長 新田将人氏は、今回の製品により、これまで累計5100社への導入実績があるTeamwareを、今後3年間で2000社に導入したいという目標を掲げた。また、合わせてTeamwareの1ユーザーあたり平均5台というサーバの導入実績を踏まえ、今後3年間で1万台の同社PCサーバ「PRIMERGY」を販売したい考えだ。

マイクロソフト 執行役 エンタープライズパートナー営業統括本部長 前田浩氏

マイクロソフト 執行役 エンタープライズパートナー営業統括本部長 前田浩氏は「企業においては、基幹業務系のデータを弊社が得意とするインフォメーションワーカー分野でいかに活用するかがポイントになる。そのためは、ミドルウェアが重要になる。今回の協業は、クライドにおける連携のスタートになる」と述べた。

また、両社は今後データセンターの運用分野でも協業し、今年の秋には、富士通のSystemwalkerとマイクロソフトのSystem Centerを連携させるほか、ミッションクリティカル分野では、富士通のInterstageとマイクロソフトのVisual Studioとの連携も図っていくという。

データセンターの運用分野での連携